「自分で考えろ」と言われる原因と対処法

サラリーマン

上司から言われるのが嫌なセリフベスト10には入りそうなセリフですね。

「勝手にやるな」というセリフとセットになったりします。
「あなたはどう思うの?」が類義語です。

勝手にやったら「勝手にやるな」で怒られるし、相談をしたら「自分で考えろ」で怒られます。

なんとも理不尽なように思えます。

この問題は、業務スキルとか知識とか経験とかの問題ではなく、
単純にコミュニケーションの問題(相談のやり方)です。

「自分で考えろ」と言われる原因

「自分で考えろ」が回答になってしまう質問の多くは「どうすればいいですか?」です。

この「どうすればいいですか?」に対して、
上司側が「自分で考えろ」と言う理由は以下の通りです。

  1. 部下に主体的に仕事をしてほしいから。
  2. 結論に責任を持ちたくないから。(上司がわからない/上司が自分で判断できないも含む)

残念ながらどちらの場合も、「自分で考えろ」と言われてしまいます。
ですが、どちらの場合も同じ対処法でクリアできますので心配ありません。

「自分で考えろ」と言われたときの対処法

例えばあなたが美容院にいったときに、「適当にいい感じにしてほしい」と思いませんか?

要するに「俺様が満足するように、うまいことやってれ」ということです。

このとき、「どうすればいいですか?」と聞かれるのはちょっと嫌なものです。
「具体的に言ってもらえないとできません」とか言われたら、
その美容院には2度と行かないですよね。
「ちょっとはそっちで考えて、オススメを教えてよ」と思ってしまうのではないでしょうか?

美容師さんからは、「夏ですので、さっぱり目にしましょうか」とか、「横は何cmくらい切って前髪はうんたらかんたらしましょうか」とかそういう具体的な提案があるはずです。

それに対して、「横はこれくらいで・・・」とか具体的な改善指示をして、
詳細を詰めた後、「じゃあこうしましょうか」「それでお願いします」となり作業がスタートします。

上司からあなたへの作業依頼というのは、この「適当にいい感じにしてほしい」なのです。

上司と部下の関係では、上司が作業指示をするので、上司が顧客(クライアント)です。

クライアントの依頼や問題を解決するのが仕事ですよね。
それに対して、「どうすればいいですか?」がまずいのです。

自分が上司に言っていることを、美容師さんに言われたら?と考えてみてください。
また、美容師さんからどう言われたら助かるか(リピーターになるか)
を考えてみてください。(上司:あなた=あなた:美容師さん=顧客:提供者) 

そういうわけで、
「こうしますけどいいですか?どうですか?」という具体的な質問に変えて、提案しましょう。

上司からの回答がYesかNoかはさておき、その先に話を進めることができます。

そうはいっても、「こうしますけど」の部分がわからないんだよ!
ということもあると思います。その先も解説します。

目的と背景を捉える (3つのリンゴ問題)

例えば、お母さんから「冷蔵庫からりんごを3つとって、お父さんに渡して」
とお願いされたとしましょう。

この時の依頼主はお母さんであり、お母さんがクライアントです。

あなたは冷蔵庫を開けますが、りんごは2つしかありませんでした。

どうしましょう。

「冷蔵庫にはりんごが2つしかないけど、どうすればいい?」
とお母さんに聞くでしょうか?

「それくらいじぶんで考えてよ」と言われてしまうかもしれませんね。

選択肢はいろいろあると思います。

  • りんごを2つもっていく
  • もう一つのリンゴをほかの場所から探す
  • りんごの代わりにバナナを3本もっていく
  • なにもしない

しかしながら、あなたには正解がわかりません。どうすればいいかわかりません。
いったいなぜでしょうか?

お母さんはその答えを持っています。いったいなぜでしょうか?

そりゃ頼んでいる本人が答えを持っているに決まっていると思うかもしれませんが、
もう少しだけ掘り下げてみます。

目的を知れば判断ができる

お母さんは依頼した目的を知っていて、あなたはその目的を知らないからです。

何のために、冷蔵庫からりんごを3つとってお父さんに渡すのか
その目的です。

例えば以下のような目的が考えられます。

  1. お父さんがリンゴを食べたい
  2. お父さんが近所の子供たち3人に果物を配りたい
  3. お父さんが3つのリンゴの絵を描きたい
  4. 冷蔵庫がいっぱいだから少し物を出したい

目的が1番の場合は、リンゴであることが大事ですが、個数は2個でも問題なさそうです。
しかし、2番の場合は、3つという個数と同じ果物であることが重要です。
3番の場合はリンゴが3つ必要なようです。

もしあなたがこの目的を捉えていたのなら、
「リンゴは2個しかないから、リンゴを2個お父さんに渡すけど、それでいいよね?
(だって、個数はそれほど重要じゃないもんね?)」
「リンゴは2個しかないから、バナナを3本お父さんに渡すけど、それでいいよね?
(だって、子供たちがケンカになったら困るもんね?)」
などと提案し、承認を得るための質問をすることができます。

この質問にはYes(or Noならほかの手段)の回答をもらうことができます。
ここがポイントです。

ですので、「自分で考えろ」とか「あなたはどう思う?」と言われたときは、
「その仕事の目的背景を把握しているか?」と聞かれているのと同じです。
「それを理解できていれば、答えは出るよ(もしくは、もう少し具体的な質問になるはずだよ)」と言われているのです。

もしあなたがわからない場合は、
「ああそうか目的背景を把握していなかったな。」と気が付けばよいのです。

目的を捉える方法

目的が分からない場合は素直に聞けばよいでしょう。
上司に聞いてもわからない場合は、誰に聞けばわかるのかを聞くとよいでしょう。
(多くの場合、依頼元になると思います。リンゴ問題ではお父さんですね。)

「冷蔵庫からりんごを3つとって、お父さんに渡して」に対して「なんで?」
と聞いたときに「それくらいじぶんで考えてよ」とは言われません。エスパーじゃないので。

※「いいから言われたとおりやっておけ」と言われることはあるかもしれませんが、
 その上司はダメです。目的背景を理解することは成果に影響します。

目的を聞くタイミングは、依頼を受けたときに聞くのがベターですが、
後からでも大丈夫です。聞かないよりは全然よいです。

リンゴが2つしかないことに気が付いてから、
「ご依頼の3つのリンゴは何に使うんでしたっけ?」と聞けばよいでしょう。

目的を聞けば、「2つしかないので、こうしておけばいいですかね?」
と提案ベースで質問することができるでしょう。

こういうことをあなたの上司は求めているのです。

これなら自分で考えてますし、勝手にやっているわけでもないですね。
トラブルはおきないでしょう。

まとめ

  • 「どうすればいいですか?」はやめて、「こうしますけどいいですか?」にしよう
    →「どうすればいいですか?」は自分が言われても嫌ですよね?
  • 「こうしますけどいいですか?」の質問ができるように目的背景を捉えよう
    →目的背景を捉えるための質問であれば、上司は鼻息を荒くして教えてくれます。

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